「腐ったマスタード」色のユニフォームは着たくない!? NFLのレッドスキンズがリーグとスポンサー主導の企画に抵抗
2017年04月01日 コラム チーム/リーグ経営 Written by 川内 イオ
NFL(米プロアメリカンフットボールリーグ)と公式ウェアスポンサーのナイキが一昨シーズンから試験的に始めたチャレンジングな取り組み「カラーラッシュ」が、今になってアメリカで話題になっている。
まず、カラーラッシュについて説明しよう。これは木曜夜に開催される試合「サーズデーナイトフットボール(TNF)」で、ヘルメットからシューズまで同じカラーで統一したユニフォームを着て試合をするイベント的な催しだ。例えば、一昨シーズン、カラーラッシュの開幕戦だった第10週、バッファロー・ビルズ対ニューヨーク・ジェッツ戦ではビルズはジャージー、パンツ、ソックス、シューズまで赤一色、対するジェッツは緑一色のユニフォームを着て戦った。
NFLの日本語公式サイトによると、この企画は「統一したカラーのウェアで固め、まさに色のぶつかり合いとして楽しんでもらおう」という意図で、一昨シーズンは4試合、昨シーズンは10試合で導入された。
当初から「クール」「ダサい」と賛否両論だったが、ついにチーム側からルールの変更を求める声が上がってきた。3月23日、2017年のシーズン開幕に向けて各チームからリーグに対してルール改正等の提案が行われたのだが、ワシントン・レッドスキンズのオーナーが「TNFに該当したチームでも、カラーラッシュのユニフォームを着用しないことを認めるルールの改正」を提案したのだ。
メディアの間でレッドスキンズの赤と黄色のヘルメットと黄色を基調にしたユニフォームとは「マスタードとケチャップ」(CBS SPRTS.COM)「腐ったマスタード」(washington.cbslocal.com)と言われてジョークの対象になっている。レッドスキンズはこれまでTNFに当たったことがなく、カラーラッシュのユニフォームを着用していないが、チーム側は「できれば今後も着たくない」というのが本音だろう。
現時点でこの提案が認められるのか否かは分からないが、リーグとスポンサー主導の企画で「腐ったマスタード」色のユニフォームをあてがわれたチームの抵抗と、その行方に注目が集まっている。
【了】
川内イオ●文 text by Io Kawauchi
1979年生まれ。大学卒業後の2002年、 新卒で広告代理店に就職するも9カ月で退職し、2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年にバルセロナに移住し、主にスペインサッカーを取材。2010年に帰国後、デジタルサッカー誌、ビジネス誌の編集部を経て現在フリーランスの構成作家、エディター&ライター&イベントコーディネーター。 ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして活動している。
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