2020年に完成予定の「フットボールのディズニーランド」 4つ星ホテル、最新のトレーニング施設を備えたスマートシティ
2017年05月05日 コラム 施設 Written by 川内 イオ
アメリカのオハイオ州カントンにある施設「プロフットボール殿堂」。スタジアムやミュージアムを併設するこの一大施設が、NFL(米プロアメリカンフットボールリーグ)の100シーズン目にあたる2020年を目指して大きく生まれ変わろうとしている。
コンセプトは「フットボールを愛する全ての人のための地球上で最も感動的な場所」。18年間に及ぶパートナーシップ契約を結ぶ世界的な環境エンジニアリング企業ジョンソンコントロールズの技術を用いて、殿堂とその一帯の施設をスポーツとエンターテインメントに焦点を当てた世界初の「スマートシティ」にリニューアルする。
このプロジェクトは2016年からスタートしており、ミュージアムでは没入型ホログラフィー劇場「A Game for Life」が昨年にオープン。毎年、NFLの最初のプレシーズンマッチが行われる「トム・ベンソン・ホール・オブ・フェイム・スタジアム」も、大規模改修を経て2018年にはスポーツとエンターテインメントの複合施設になると発表されている。
リニューアルの一つの目玉になるのは、ワールドクラスのアメニティ、最新の照明設備、ビデオ撮影・録画機能を備えた8つのグラウンドを備えるトレーニング施設で、そのうちの一つには3000席の観客席もつく。
もう一つの目玉は、フットボールをテーマにした4つ星の高級ホテルの新設だ。このホテルが建つメインストリートには、「世界最高のスポーツバー」を含むレストラン、ショップ、オフィスなどが立ち並ぶ予定。
そして、プロフットボール殿堂自体も、インタラクティブで没入感のあるバーチャルリアリティ体験ができる施設や、フットボールをテーマにしたウォーターパークなどが新設される。
他に、インドアフットボール施設、6000人を収容するバスケットコートなどを含むパフォーマンスセンター、殿堂入りした選手やNFLに貢献したスタッフ、コーチなどに高齢者のケア」も含めた幅広いサービスを提供する「プレーヤーケアセンター」なども作られる。
アメリカのメディアに「フットボールの天国」「フットボールのディズニーランド」とも評されるこの施設の総工費は6億ドルと高額だ。しかし完成すると、年間300万人が現地を訪れ、25年間で153億ドルの経済効果をもたらすと見積もられている。
【了】
川内イオ●文 text by Io Kawauchi
1979年生まれ。大学卒業後の2002年、新卒で広告代理店に就職するも9カ月で退職し、2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年にバルセロナに移住し、主にスペインサッカーを取材。2010年に帰国後、デジタルサッカー誌、ビジネス誌の編集部を経て現在フリーランスの構成作家、エディター&ライター&イベントコーディネーター。ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして活動している。
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