右肩上がりで拡大するe-Sports市場! アマゾンがe-Sportsチームのスポンサーに
2017年06月01日 コラム マーケティング/プロモーション/ブランディング Written by 川内 イオ
アマゾンが、e-Sportsに進出した。同社のモバイル部門が5月17日、アメリカのプロゲームチームNRG Esportsと1年間のスポンサー契約を締結したと発表した。
ESPNなど現地メディアの報道によると、契約の金額は明らかになっていないが、アマゾンのアプリストアのプラットフォームとアマゾンオリジナル通貨「アマゾンコイン」がスポンサーとなり、どちらも世界的人気のオンライン戦略カードゲーム「ハースストーン」とスマホゲーム『Vainglory(ベイングローリー)』に参戦するNRG Esportsの2チームをサポートする。今回の契約により、2チームは大会中、前面にアマゾンコインのロゴが入ったユニフォームを着用する。
今回のスポンサー契約ではさらに、NRG Esportsがアマゾン主催の興行に参加するという内容も含まれているという。
NRG Esportsは、アップルのモバイル広告担当副社長を務めていたAndy Miller氏とアメリカのフィットネスチェーン「24 Hour Fitness」創業者のMark Mastrovが2015年11月に立ち上げたプロゲームチーム。ちなみに、2人は、NBAのサクラメント・キングスのオーナーグループの一員でもある。
NRG Esportsはアメリカでも屈指の人気と知名度を誇り、昨年には元NBAプレーヤーのシャキール・オニール、元MLBプレーヤーでニューヨーク・ヤンキースに所属していたアレックス・ロドリゲス氏、サンフランシスコ・ジャイアンツに所属するジミー・ロリンズ選手が出資したことも話題になった。もともと、PC専用オンラインゲームの「League of Legends」と「Counter-Strike: Global Offensive」を中心にプレーしていたが、今回の契約でもどちらもスマホでプレー可能な2つのゲームにも進出する。
アマゾンは、2014年8月に映像配信サイト「Twitch」を9億7000万ドルで買収。その後、同サイトはe-Sportsの配信サイトに注力して、ナンバーワンの地位を築いている。
今回、アマゾンが初めて直接的にe-Sportsチームのスポンサーに就くのは、「Twitch」との相乗効果を狙ったものだろう。アメリカの市場調査会社Newzooは、e-Sportsの市場が2017年に6億9600万ドル規模、2020年までに15億ドル(1700億円超)に達すると予想しており、今後さらなる盛り上がりが予想される。
【了】
川内イオ●文 text by Io Kawauchi
1979年生まれ。大学卒業後の2002年、新卒で広告代理店に就職するも9カ月で退職し、2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年にバルセロナに移住し、主にスペインサッカーを取材。2010年に帰国後、デジタルサッカー誌、ビジネス誌の編集部を経て現在フリーランスの構成作家、エディター&ライター&イベントコーディネーター。ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして活動している。
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