メキシコサッカー連盟がインテリジェントビデオコーチングシステムの導入を決定 メキシコ1部リーグ「リーガMX」所属の全18チームに配備
2018年07月06日 コラム テクノロジー/デジタル Written by 川内 イオ
メキシコサッカー連盟は、メキシコの幅広い世代のサッカーのレベルを向上させるために、テクノロジーの導入を決定。高度な映像分析アルゴリズムを搭載した最新のAIカメラによる自動ビデオ制作プラットフォームを提供するイスラエルのPixellotとの提携を発表した。契約は現地パートナー、seeUplayとメキシコサッカー連盟の間で行われた。
イスラエルのベンチャーとの契約で、連盟はメキシコ1部リーグ「リーガMX」に所属する全18クラブと各アカデミーにPixelotのインテリジェントビデオコーチングシステムを配備する。具体的には、リーガMXのすべてのスタジアム、トレーニング施設、代表チームのトレーニング施設にインストールされる。これらは、7月20日に開幕する2018-19シーズンのリーグ戦に間に合うように設定されるという。
すでにプレミアリーグ(イングランド)、ラ・リーガ(スペイン)、ブンデスリーガ(ドイツ)のトップクラブが採用しているこのシステムは、カメラをコートに設置するだけでピッチを俯瞰するパノラマ映像だけでなく、選手をトラッキングして各プレーに焦点を当てた映像を自動生成し、クラウド上に保存。データはリアルタイムで保存されるため、試合やトレーニングにおける選手のピッチ上の動きや情報をいつでも取り出すことができる。
さらに試合の見どころだけを自動で抽出したハイライトの作成、編集ツール、スコアボードなどを含む制作モジュールも使用できる。
カメラマンが撮影しているかのような自然なカメラワークが特徴で、従来の人力による撮影や映像編集に対して90%以上の制作コスト削減をうたっている。
メキシコサッカー連盟の主導で各チームに配備することで、代表チーム、各クラブが同じクオリティの映像を使うことができるようになる。そうすることでノウハウも共有されて、メキシコのサッカーの底上げにつながるという判断だ。
メキシコサッカー連盟とPixellotの契約金額は明らかにされていないが、リーガMXと代表チームに導入する一括契約のため、相当な金額が動いたと予想される。
【了】
川内イオ●文 text by Io Kawauchi
1979年生まれ。大学卒業後の2002年、新卒で広告代理店に就職するも9カ月で退職し、2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年にバルセロナに移住し、主にスペインサッカーを取材。2010年に帰国後、デジタルサッカー誌、ビジネス誌の編集部を経て現在フリーランスの構成作家、エディター&ライター&イベントコーディネーター。ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして活動している。『BREAK!「今」を突き破る仕事論』(双葉社)を発売中。http://u0u0.net/Ct2N
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