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ズラタン・イブラヒモビッチのファッションブランド、わずか2年で消滅

2018年09月04日 コラム Written by 川内 イオ

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 サッカー界のスターのなかには、自らのファッションブランドを立ち上げる選手もいる。例えば、ポルトガル代表のクリスティアーノ・ロナウドは「CR7」というブランドを幅広く展開しているし、往年の名選手、元イタリア代表のヴィエリ氏とマルディーニ氏が経営する「スウィート・イヤーズ(Sweet Years)」は、大成功を収めている。

 今年3月からアメリカのメジャーリーグサッカー(MLS)のLAギャラクシーでプレーするズラタン・イブラヒモビッチも、さかのぼること3年前から、自身のブランド「A-Z Sportswear」を展開している。ちなみに、「A-Z」とは「アマチュアからズラタンへ」を表している。

 ノルウェーのファッション大手バーナー・グループと組んだこのブランドは、立ち上げ当初から話題を呼んだ。マスコミに対してズラタンが「今度大事な発表がある」を話し、当時、所属していたマンチェスター・ユナイテッドからの移籍問題に関するものだと思って集まったマスコミの前で、「A-Z Sportswear」の設立を発表したのだ。

 しかし、手の込んだ演出のわりに、売り上げはさっぱりだったようだ。わずか2年で2300万ドル(25億円超)の赤字を垂れ流し、ブランドが消失することが発表された。複数の報道によると、マーケティングコストがかかり過ぎたことが要因だという。バーナー・グループは、「初年度から想像以上に損失が大きかった」とコメントを出している。

 振り返ってみれば、2016年6月にこのレーベルがスタートした時、ズラタンは負傷中だった。その後、本人はピッチに戻ったが、「A-Z Sportswear」はうまく立ち上がることができなかったのだろう。ブランドが立ち上がったばかりの2017年4月に右膝前十字靭帯を損傷し、その後7カ月、ピッチに立てなかったことも影響しているはずだ。

 サッカー選手としてはカリスマ的人気を誇るズラタンだが、ファッション界のカリスマにはなれなかった。

【了】

川内イオ●文 text by Io Kawauchi
1979年生まれ。大学卒業後の2002年、新卒で広告代理店に就職するも9カ月で退職し、2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年にバルセロナに移住し、主にスペインサッカーを取材。2010年に帰国後、デジタルサッカー誌、ビジネス誌の編集部を経て現在フリーランスの構成作家、エディター&ライター&イベントコーディネーター。ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして活動している。『BREAK!「今」を突き破る仕事論』(双葉社)を発売中。http://u0u0.net/Ct2N


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