アメリカに本格的なラクロスのプロリーグが発足か!? 稀代のスター選手がメディア、投資家とタッグ
2018年10月01日 コラム チーム/リーグ経営 Written by 川内 イオ
アメリカで開催されているラクロスのセミプロリーグ、メジャーリーグ・ラクロス(MLL)。試合は4月から8月の週末に行われており、ほとんどの選手は「本業」を持っている。新人の場合、1試合1000ドル以下でプレーしており、リーグ最高の年俸は1万6000ドル。この状況を改善しようと、ひとりのスター選手が動き始めたようだ。
2013年からスポンサー契約収入およそ100万ドルを得ているMLLきってのスター選手、ポール・ラビルがスポーツメディアや投資家のグループと組んで、フルタイムのプロリーグ「プレミア・ラクロスリーグ(PLL)」を立ち上げようとしているとアメリカの複数メディアが報じている。
報道によると、PLLは2019年6月の開幕を予定しており、9月に閉幕する。6チームでのスタートを予定しており、現在9チームで運営されているMLLに参加しているアメリカとカナダの有力選手がPLLに移籍するとみられる。そのため現在、熾烈な引き抜き交渉が行われているようだ。
MLLはサラリーキャップ制だが、PLLは支払限度額を設けない。選手の健康面の保証をするほか、リーグの株式の贈与もプレーの条件に入っていると報じられており、これまで月曜から金曜まで別の仕事をしていた選手にとっては魅力的なオファーといえるだろう。
一方、この動きを察知したように、MLLはサラリーキャップの限度額を51%引き上げること、試合数を現状の14から16に拡大することを決定した。
現地メディアによると、ラクロスは過去5年で大きく成長したスポーツのひとつといわれており、プレーヤーは2012年から35%増加して現在217万人。しかもそのうちの57%は年収7万5000ドル以上と推定されている。
アメリカではソーシャルメディアを含む全メディアによるスポーツコンテンツの争奪戦が発生しており、PLLもある程度の放映権料を期待できること、特に生活に余裕がある層からの人気が高まっていることが、PLLの設立を後押ししているのかもしれない。
【了】
川内イオ●文 text by Io Kawauchi
1979年生まれ。大学卒業後の2002年、新卒で広告代理店に就職するも9カ月で退職し、2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年にバルセロナに移住し、主にスペインサッカーを取材。2010年に帰国後、デジタルサッカー誌、ビジネス誌の編集部を経て現在フリーランスの構成作家、エディター&ライター&イベントコーディネーター。ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして活動している。『BREAK!「今」を突き破る仕事論』(双葉社)を発売中。http://u0u0.net/Ct2N
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