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米大学バスケットボールの名門校が自己負担ほぼゼロで新アリーナを建設へ

2019年01月07日 コラム Written by 川内 イオ

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 多数のNBAプレーヤーを輩出しているテキサス大学。2016-17シーズンから2年連続でNBAを制しているゴールデンステート・ウォリアーズで、2年続けてファイナルでMVPに輝いたケビン・デュラント、2018年のドラフト全体6位でオーランド・マジックから指名された身長213センチのビッグマン、モハメド・バンバも同大学の出身だ。

 昨年12月、アメリカの大学バスケットボール界の名門校が、アリーナの新設を発表した。それまで41年間使用していたフランク・アーウィン・センター(収容人数1万6540人)の老朽化に伴い、最新の設備を備えるバスケットボールコートを兼ねた多目的アリーナを建設する。バスケットボールの試合で使用する時は収容人数1万人、卒業式、コンサートなど大学や地域の行事、その他のイベントで使うときは1万5000人に拡張するこのアリーナは、2021年に完成する予定だ。

 この新アリーナがユニークなのは、建設費の3億3800万ドルを負担し、アリーナの管理、運営を担うのがOak View Group (OVG)を含む複数の民間企業ということ。これから正式な契約となるが、テキサス大学が民間企業チームに対してアリーナが建設される6.64エーカーの敷地を35年間、有料で貸与し、民間企業がバスケットボールの試合を含めたアリーナの運営を担うという仕組みだ。入場料などの収益は民間企業が得て、35年後に所有権がテキサス大学に移される。

 テキサス大学が負担するのは、建設工事が始まる際に新アリーナ周辺の敷地を整備する金額のみ。一ドルの負担もなく最新のアリーナを使用できるようになるだけでなく、35年間、土地の利用料を得ることができる。アメリカの複数メディアは、この契約の形はアメリカの大学スポーツにおいても極めて珍しいものだと報じている。

 広大な大学の敷地の一部を有料で貸し出し、そこに民間企業がスポーツ施設を建て、管理運営する。この新しい仕組みは今後全米に広がるかもしれない。

【了】

川内イオ●文 text by Io Kawauchi
1979年生まれ。大学卒業後の2002年、新卒で広告代理店に就職するも9カ月で退職し、2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年にバルセロナに移住し、主にスペインサッカーを取材。2010年に帰国後、デジタルサッカー誌、ビジネス誌の編集部を経て現在フリーランスの構成作家、エディター&ライター&イベントコーディネーター。ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして活動している。『BREAK!「今」を突き破る仕事論』(双葉社)を発売中。http://u0u0.net/Ct2N


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