10代のバスケ選手が中国のスポーツ用品メーカー「LI-NING」と巨額の契約を締結
2019年08月01日 コラム スポンサーシップ/パートナーシップ Written by 川内 イオ
17歳以下のバスケットボールアメリカ代表として、2018年のU17ワールドカップ優勝を経験、Gatorade National Boys Basketball Player of the Yearの最終候補に選出されるなど、将来を嘱望されているR・J・ハンプトン。次世代のスター候補が選んだ道は、高校生プレーヤーに大きな影響を与えるかもしれない。
NBAは2005年、ドラフトの条件を「19歳以上で高校を卒業してから1年間以上経過した者」と定めた。そのため、高校の有望選手たちはアメリカの大学でプレーしながら、プロ入りを目指すのがスタンダードだった。
しかし、R・J・ハンプトンは高校卒業後、オーストラリアのプロリーグ「ナショナル・バスケットボール・リーグ(NBL)」に所属するニュージーランド・ブレイカーズでプレーすることを決意した。大学進学した選手と同じく、来年6月のNBAドラフトを目指しているのは変わりないが、大きな違いはプロとして稼ぐことができるようになったことだろう。
今年7月、R・J・ハンプトンのシューズ契約について、ナイキ、アディダス、プーマ、アンダーアーマーなどからオファーが殺到した中で、中国のスポーツ用品メーカー「LI-NING(リーニン)」とシューズ契約を締結。契約の詳細は明かされていないが、5年間で数百万ドルと報じられている。
この契約にはさまざまなオプションが付されていて、来年のドラフトでドラフト1巡目の10番目までに指名された場合には契約金が増額される。また、R・J・ハンプトンがデザインに参加した「RJH」のロゴが入りシューズ、アパレルの販売も契約に含まれており、ロイヤリティーがR・J・ハンプトンに支払われる。
リーニンはNBAでのブランディングに力を入れており、今季限りで引退したスター、ドウェイン・ウェイドやポートランド・トレイルブレイザーズのエース、C・J・マッカラムなどがシューズ契約を結んでいる。
ちなみに、アメリカの大学生はシューズメーカーとの契約が禁じられている。アメリカで大学生としてプレーをするか、NBA入りを前提に海外でプロになって巨額の契約を得るか。後者を選ぶ高校生プレーヤーが今後、増えるのは確実だろう。
【了】
川内イオ●文 text by Io Kawauchi
1979年生まれ。大学卒業後の2002年、新卒で広告代理店に就職するも9カ月で退職し、2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年にバルセロナに移住し、主にスペインサッカーを取材。2010年に帰国後、デジタルサッカー誌、ビジネス誌の編集部を経て現在フリーランスの構成作家、エディター&ライター&イベントコーディネーター。ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして活動している。『BREAK!「今」を突き破る仕事論』(双葉社)を発売中。http://u0u0.net/Ct2N
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