スポーツ史上初の「ファン参加型」プロリーグが2021年開幕。マイク・タイソンらオーナー
2020年11月06日 コラム チーム/リーグ経営 Written by 川内 イオ
2021年2月、アメリカでとてもユニークなプロスポーツリーグが開幕する。それは、「ファン・コントロールド・フットボール(FanControlled Football/FCF)」。
FCFは、アメリカンフットボールで使用されるコート(縦100ヤード×幅53ヤード)と比べると二回りほど小さい縦50ヤード×幅35ヤードのフィールドでプレーされる7対7のフットボール。その分、展開が早く、得点がたくさん入るが、FCFの最大の注目ポイントは、そこではない。
このプロリーグは、史上初めて「ファン参加型」なのだ。チーム名、チームカラー、ロゴ、ユニフォームからはじまり、チームのブランディング、試合におけるプレーヤーの選択、リアルタイムのプレーの選択など、チームに関するほとんどすべてのことにファンが関与できる仕組みになっている。
その詳細はまだ明らかになっていないが、ファンが何らかの方法で自分の「FAN IQ」を高めるとレベルアップし、シーズンを通じてチームの決定に大きな影響を与えられるようになるそうだ。
現在、FCFに参加を表明しているのは4チームで、オーナーにはアメリカの人気ヒップホップトリオ「ミーゴス」のメンバー、現役のNFL選手、元ヘビー級チャンピオンのマイク・タイソンなどが名を連ねている。彼らが各チームの「リードオーナー」となり、ファンと一緒になって、チームのアイデンティティーを定め、タイトルを目指す。
4週間のレギュラーシーズン、プレーオフラウンド、チャンピオンシップゲームはすべてアトランタにあるFCFの施設で行われ、Amazonが提供するライブストリーミング配信プラットフォームTwitch(ツイッチ)で独占的にライブストリーミングされる。
現地報道によると、大学のアメフト選手、カナディアン・フットボール・リーグ(CFL)、インドア・フットボール・リーグ(IFL)、今年2月に開幕したアメフトの新リーグ・XFLの選手が各チームに参加するようだ。
あまりに実験的なリーグで盛り上がるのか、派手にコケるのか、まるで想像がつかないが、世界のスポーツ関係者が注目すべきチャレンジなのは間違いない。
【了】
川内イオ●文 text by Io Kawauchi
1979年生まれ。大学卒業後の2002年、新卒で広告代理店に就職するも9カ月で退職し、2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年にバルセロナに移住し、主にスペインサッカーを取材。2010年に帰国後、デジタルサッカー誌、ビジネス誌の編集部を経て現在フリーランスの構成作家、エディター&ライター&イベントコーディネーター。ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして活動している。新著『農業新時代 ネクストファーマーズの挑戦』(文藝春秋)が発売中。https://amzn.to/2MKcg7g
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