NFLが「選手視点」でプレーできるVRゲームを発売へ。元選手立ち上げのスタートアップと締結
2022年04月08日 コラム チーム/リーグ経営 Written by 川内 イオ
アメリカのナショナル・フットボール・リーグ(NFL)は、スポーツテクノロジー企業のStatusPROと、バーチャルリアリティー(VR)シミュレーションゲームの制作に関するライセンス契約を締結した。
StatusPROは、元NFL選手のアンドリュー・ホーキンスともう一人のパートナー、トロイ・ジョーンズが立ち上げたスタートアップ。2017年にフットボール界から引退したホーキンスは、その後、大学でクォーターバックを務めたトロイ・ジョーンズと組み、拡張現実(AR)や仮想現実(VR)を活用してプロ選手のトレーニングを支援するStatusPROを設立した。
彼らの最初の製品であるPre Game Prepは、リアルタイムの選手データを使って実戦的なトレーニングをシミュレートする拡張現実ヘッドセットで、複数のNFLチームに提供している。
2021年8月にはNFLのグリーンベイ・パッカーズ、サンフランシスコ・49ers、クリーブランド・ブラウンズなどから520万ドルを調達。NBAのスター、レブロン・ジェームズやテニスの大坂なおみなども出資しており、NFLを中心にスポーツ界と関係が深い。
今回の契約により、NFLはアメリカの主要スポーツリーグとして初めて、ライセンス供与されたVRゲームを発売することになる。このVRゲームはMeta QuestとPlayStation VRで発売される予定。まだ詳細は明らかにされていないが、ファンは一人のプロフットボール選手のような視点でフィールドに立ち、プレーできるようだ。
現地メディアに対し、アンドリュー・ホーキンスは「元フットボール選手として、フィールドに出たときの感覚を再現できることは、より大きな意味を持ちます。独自の技術により、NFLファンがプロのアスリートに変身できるような没入感を提供できます」とコメントしている。
【了】
川内イオ●文 text by Io Kawauchi
1979年生まれ。大学卒業後の2002年、新卒で広告代理店に就職するも9カ月で退職し、2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年にバルセロナに移住し、主にスペインサッカーを取材。2010年に帰国後、デジタルサッカー誌、ビジネス誌の編集部を経て現在フリーランスの構成作家、エディター&ライター&イベントコーディネーター。ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして活動している。新著『農業フロンティア 越境するネクストファーマーズ』(文藝春秋)が発売中。https://www.amazon.co.jp/dp/4166613367/
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