“普通”の大学生が、世界最大のスポーツマーケティング会社に入れた理由(レピュコムジャパン<現・ニールセンスポーツ> 荒木哲朗さん)~前編~
2016年10月05日 インタビュー その他 Written by AZrena
知られざるスポーツの裏側の情報を提供している「AZrena(アズリーナ)」に記事提供を頂いてお届けしている、大好きなスポーツの世界で働くことを実現させた方々に自らの体験談を話していただくシリーズの第3弾。
熱狂と興奮を生み出すスポーツを愛する人が世の中に多くいる中、その世界に身を置いて働きたいと思う方もたくさんいらっしゃるでしょう。しかし、スポーツ業界に入るためには、どうすればいいのか? スポーツの世界で働くということは、一体どういうことか?
今回は、世界最大級のスポーツマーケティング会社であるレピュコム(現・ニールセンスポーツ)に務める荒木哲郎さん。世の中のありふれた大学生と同じ生活をしていた中、このような道に彼が進めた理由とは、いったい何だったのでしょうか?
(出典:AZrena「“普通”の大学生が、世界最大のスポーツマーケティング会社に入れた理由-レピュコムジャパン・荒木哲朗さん-」2016年6月23日)
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「東北楽天ゴールデンイーグルスの創設メンバーの一人である南壮一郎さんは、スポーツ界に入りたくてMLBの全チームに履歴書を送ったりアポなしで訪問したりしていたと聞いたんです。それぐらいはしなければダメなんだなと。ああいう人たちでも採られないわけですから、本気でやらないとやばいな、と思いました」
(荒木哲郎 レピュコムジャパン コンサルティング部門)
※2016年6月21日、世界最大のリサーチ会社・ニールセンがレピュコムを買収したと発表
◆本格的に動き出したのは大学3年生の夏から
高校生のとき、大学を決める際に将来のことも考えました。そこで、スポーツビジネスについて学びたいなと思ったんです。その軸で大学を調べ、神奈川大学の人間科学部人間科学科健康スポーツコースに進もうと思いました。ただ、ここでいきなり壁にぶつかります(笑)。指定校推薦で行くつもりだったのですが、その枠から落ちてしまったんです。高校3年間は本気でサッカーをやっていて、朝、全体練習後の自主練も1日も休まなかったですし、生活スタイルや食事にもかなり気を掛けて取り組みました。ですが、結果として公式戦に1試合も出られなかったんです。そして引退が決まった1週間後に確実視されていた指定校推薦に落ちました。
生活の全てをサッカーにかけ、試験勉強でも頑張って良い成績を取ったのに、両方うまくいかなく、さらに家庭内でもあまりうまくいっておらず、最悪なことが連続して重なりました。今思うと、サッカーや勉強に関しては、それまでどちらも中途半端だったので当たり前の結果なのですが、そのときはどん底にまで落ち込みました。とはいえ、やるしかなかったので、落ち込みながらも10月下旬くらいから勉強を始め、希望の大学に入ることができました。
そんな思いをして進んだ大学でしたが、そこでスポーツ界へ入るために精力的に取り組んだわけではありませんでした。サークルへ行って飲み会をして、バイトをして…。ゼミはそれなりに真面目にやっていたのですが、普通の大学生でしたね。
転機は大学3年生。いやでも就活のことを意識しなければいけなくなり、人生のことを真面目に考え始めたときです。そこで、あらためて本気でスポーツ界に入りたいなと思ったんです。私はたまたまサッカーに取り組んできましたが、やはりこのスポーツを通じてつながる人間関係や影響力というのは大きいと常々感じていました。だからスポーツの価値を高めたいと思ったんです。スポーツを通じて日本を良くしたい、日本を変えたいという思いがありました。
とはいえ、業界は狭いし、どう入ればよいかが分からない。それにそれまでの自分は大学時代に特別何かをやっていた訳ではありません。
入り口はmixiだったと思います。スポーツビジネス業界の人たちが集まるコミュニティーから半田裕さんというアディダスやナイキで働いていた方のセミナーを知って、通いつめました。社会人の方がほとんどでしたので、そこで知り合った方にいろいろな業界の方が集まるイベントに誘っていただき、人とのつながりを広げました。
ただ、半田さんのセミナーに行って、「座学だけではだめだ」と思い、現場レベルの経験も必要だと感じて、インターネットでいろいろと調べました。その中でスポーツマネジメントを行う会社であるアンビションアクトを見つけ、東京ヴェルディでのインターンを経験しました。大学4年の1年間だったのですが、時期的にもそれをやるというのは難しい決断でした。普通の人はまず選ばない道ですよね。ただ、ここで逃したらチャンスはないと思ったんです。
そして、インターンを続けているときにアンビションアクトの社長から『スポーツビジネスを学べる留学プログラムをつくったのだけど、行かないか?』と提案されました。即決しましたよ。卒業してすぐに、というか卒業式の次の日に飛び立ちました(笑)。
生活費も含めると400万円くらいは必要だったのですが、そこは親に貸してもらいました。もともと留学への思いはあったのですが、裕福ではなかったですし、割と堅いというか厳しい家でしたので、相談もしていませんでした。なので思い切って想いを伝えたときに即答で「いいよ」と言ってくれたときには驚きましたし、そのことに関しては親には感謝しています。
留学先はシアトルでした。最初の9カ月は学校に通って英語の勉強をして、残りの3カ月はインターンですね。ただ、その残りの3カ月も“決められていたものをやる”のではなくて、『自分でインターン先を探してこい!』というようなものだったんです。レジュメを書いてメールを送って、電話をして…と。そうやってインターン先を見つけて、活動を終えた後に帰国しました。
そして、そこからまた海外へ行ったんです。シアトルから帰国する数カ月前から次のステップを考えていた中で、日本に戻ったらスポーツ系の就活をしようとも思ったのですが、やはり1年の経験ではまだまだ足りないなと感じました。ビジネス英語のスキルをもっと伸ばさなければいけないとも思いました。
それで帰国後、大学の先生に相談したところ、『知り合いのスポーツ系の会社がメルボルンにある』と教えてもらったので、半年間ほどアルバイトをしてお金を貯め、オーストラリアへワーキングホリデーに参加するために飛びました。
(後編へ続く⇒)https://sjn.link/news/detail/type/report/id/64
【了】
記事提供:AZrena
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