リクルートを退社し、“ラクロス”で起業した小野寺ひよりが語る「ラクロッサーが海外に出るべき理由」とは(FUSION AGENT 小野寺ひよりさん)~前編~
2016年10月19日 インタビュー その他 Written by AZrena
知られざるスポーツの裏側の情報を提供している「AZrena(アズリーナ)」に記事提供を頂いてお届けしている、大好きなスポーツの世界で働くことを実現させた方々に自らの体験談を話していただくシリーズの第4弾。
熱狂と興奮を生み出すスポーツを愛する人が世の中に多くいる中、その世界に身を置いて働きたいと思う方もたくさんいらっしゃるでしょう。しかし、スポーツ業界に入るためには、どうすればいいのか? スポーツの世界で働くということは、一体どういうことか?
今回は、「ラクロスに関わる全ての人の可能性や機会を広げたい」という思いを持って2016年3月にFUSION AGENTを設立した小野寺ひよりさんのインタビューをお届けします。女子ラクロスの強豪である明治大学を卒業後、入社したリクルートを退社し、全てのラクロッサーの価値を高め、ラクロスに関わる人たちに貢献したいという強い思いを持って行動に打ち出た小野寺さん。“スポーツ界で働く”中でも、会社に所属するのではなく、起業という選択肢をとった彼女の中には、どういう思いがあったのでしょうか。
(出典:AZrena「リクルートを退社し、“ラクロス”で起業した小野寺ひよりが語る「ラクロッサーが海外に出るべき理由」とは」2016年6月20日)
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「リクルート時代の仕事はとても楽しく充実していたのですが、やはり以前から思いがあったラクロスを通じて仕事をしたい、ラクロスの人のために仕事をしたいという気持ちを捨てきれませんでした。そこでラクロスを仕事にしている会社がないのであれば、つくるしかないと思いました」
(FUSION AGENT 小野寺ひより)
◆捨てきれなかった“ラクロスの人のために仕事をしたい”という思い
私は中学・高校とソフトボールをやっていて、ラクロスは大学から始めました。高校時代はソフトボールで結果を出していたので、高校卒業後は地元福島の実業団に入ろうと思っていたのですが、そのチームの経営状況が良くなさそうだったので(笑)、考えを改め、大学に行くことにしました。大学ではソフトボールを続けようとは思っていたのですが、ソフトボール部がそこまで強くなさそうで…、悩んでいたときに隣のグランドで練習をしていたラクロス部を見つけて、面白そうだなと思って始めました。
出身は明治大学です。今となっては2年連続で日本一になった強豪ですが、私が1年生のときは3部で、部員も40人くらいでした。4年生のときにはチームを1部に上げて、卒業をしました。そこは誇らしく思っています(笑)。卒業後は知り合いがいたという経緯もあって社会人ラクロスチームのFUSIONに入部しました。現在は事業を始めたのですが、社名はFUSION AGENTといいます。その名前は所属しているFUSIONというチームから名前をとりました。
FUSION AGENTはオーストラリア専門の留学エージェントです。オーストラリアで英語を勉強したい、大学や大学院、専門学校へ行きたいという方に、その方に合ったオーストラリアの教育機関を紹介しています。私のこの事業の特徴は、留学をご紹介するお客様を『ラクロスの人(現役、OG・OB、サポーター)』に限定している点です。
対象を絞ったのにも理由があります。大学時代からラクロスを通じて仕事をしたい、ラクロス業界に貢献したいという考えや気持ちがありました。ですが、日本でラクロス関係のことを仕事にしている会社が少なかったので、就職先はラクロスに全く関係のないリクルートという会社で働きました。リクルート時代の仕事はとても楽しく充実していたのですが、やはり以前から思いがあったラクロスを通じて仕事をしたい、ラクロスの人のために仕事をしたいという気持ちを捨てきれませんでした。そこでラクロスを仕事にしている会社がないのであれば、つくるしかないと思いました。
◆ラクロスの人を世界とつなぎたい
私はずっとリクルートで法人営業をやってきたのですが、特別なスキルがなく、何をラクロッサーに還元できるか?と考え、悩みました。そんな中、頭の片隅にあった「ラクロスをやっている人はもっと世界に出ればいいのに」いう思いが再燃して、ラクロスの人を世界とつなぐ仕事をやりたいな、と思ったんです。
少し話は飛ぶのですが、オーストラリアのクイーンズランド州がギャップイヤーコンテストというものを日本、台湾、韓国、コロンビア、ブラジルの国民を対象に行ったことがありました。1カ国から3人ずつ選び、その人たちが留学生大使となってクイーンズランド州に留学するというものです。そのコンテストで上位3人に選ばれたら、1位だと1年間、語学学校、生活費も無料で生活ができるんです。2位だと3カ月語学学校が無料プラス有償インターンシップ、3位も3カ月無料というのがあったのですが、面白そうだなと思って参加した結果、3位になって3カ月間無料で語学学校に通える権利を頂きました。
このコンテストはクイーンズランド州が留学エージェントを通してやっていたのですが、たまたまそこの留学エージェントの社長さんとコンテスト中に話す機会がありました。そのときに「小野寺さんはいいところに勤めているし、こんなところに参加しなくてもいいじゃない。何がしたいの?」と言われたんです。
そこで「私はラクロスの人たちに対して何か貢献したいんです。その一つの手段として留学を提供するということも魅力的だと思っています」と答えました。そう話したらその社長から「このコンテストの結果がどうにしろ、うちでちょっと働いて留学ビジネスを勉強してみれば?」とお誘いいただいたので、お世話になることにしました。そしてコンテストの結果として頂いた3カ月の留学に会社を辞めて行った後、帰国後にビザをワーキングホリデービザに書き換えて、再度オーストラリアに行きました。配属先はアデレードというラクロスが有名な都市で、そこで半年間仕事をしながら現地でラクロスをやりました。所属したチームはプロラクロスプレーヤーの山田幸代さんと同じところです。その後の半年間はブリスベンに行って英語の勉強をしながら、ビジネスを立ち上げる準備をしました。ワーキングホリデービザが切れたタイミングの今、日本に帰ってきて、事業をスタートしたという形です。
今の事業はオーストラリアへの留学エージェントだけですが、これからやっていきたいこととしては、“ラクロスの人ってカッコいい”という世界観をつくることです。
(後編へ続く⇒)https://sjn.link/news/detail/type/report/id/66
【了】
記事提供:AZrena
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